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4.ビーズ織りの歴史

ビーズ織りの歴史は大変古く、紀元前の古代エジプト時代まで遡ることができます。その時代には、ビーズの装飾品を持つことは支配者階級の権力の象徴ともされていました。

20世紀初頭にヨーロッパで流行したビーズ織りのバッグは、洗練された美しい色と形を持っていますが、その技術の源は北米インディアンの装飾品の中にあります。
北アメリカのインディアンは、ハマグリの貝殻から白、黒、紫などのビーズを作って富や地位の象徴として装飾品に、また通貨として使っていました。

ロンドンの美術館に所蔵されている現存するもっとも古いビーズ織りの作品を佐古孝子が再現。(120年前の作品でパメラクラバーン女史が所有)

16世紀になってヨーロッパ人が渡米し、贈り物として色ガラスのビーズがはじめてもたらされました。バージニアにジェームスタウンが建設されるとベニス人のガラス細工師が開いたガラス工場で色ガラスのビーズが製造されるようになりインディアンとの交易に使われたため、彼らの間にガラスビーズが急速に広まることになりました。

植民地時代、学者達によってヨーロッパに持ち帰られたビーズ織りの装飾品が当時の職人や工芸家によって応用され、ヨーロッパ調のものがつくられました。古いものでは18世紀後半にイギリスにおいて透かし模様や高度なテクニックの美しいビーズ織りのネックレスやブレスレットが作られています。

19世紀中ごろのビクトリア時代には、図柄や技術が洗練され、華麗なアクセサリーの大流行とともにヨーロッパ各地に広まりました。ビーズ織りの美しさにも各地の特徴が現れより優れたものになっていきました。

最盛期を迎えるのは、1920~30年代、アールデコの時代です。この束の間の黄金時代にビーズ造りと織りのテクニックは頂点に達し、スチールビーズやメタルビーズで織ったバッグなどが貴婦人たちを華麗に彩りました。ところが時は第二次世界大戦、モダニズムの時代へと移り、ビーズ織りもその姿を消していきました。

しかし、今またアメリカをはじめヨーロッパ各地でビーズ織りが楽しまれるようになり、北米インディアンからビクトリア朝の王侯貴族の装飾品まで幅広く多くの人々に愛される伝統工芸品として受け継がれ、人々の心に豊かさと手作りのぬくもりを伝えてくれています。